アルゼンチンの農薬被害
撮影者:ナターチャ・ピサレンコ(AP)

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バイオテク大豆農園付近で、パチンコをして遊ぶ少女達。アルゼンチン、チャコ州アビア・テライにて。
農薬汚染は、アルゼンチンでは全ての大豆と、大半のトウモロコシと綿花に17年前からアメリカのモンサント社が特許を持つ、遺伝子組み換え品種を使っていることに起因する。当初、この種子とセットになった同社の農薬を使用すれば、少量の農薬で収穫量の増大がみこめると約束された。しかし農薬使用量は1990年に900万ガロンだったのに、現在ではその約9倍に増えた。アメリカのバイオテクノロジーはアルゼンチンを農業大国にしたが、一方で、農薬は環境全体を汚染した。医師や科学者は、農薬の使用に声高に警告を発している。

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バイオテク・トウモロコシ畑をぬけて、バイクで学校に向かう学生。サンティアゴ・デル・エステロ州ポゾ・デル・トバ。

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車のサイドミラーに、走りながら農薬散布をしているトラクターが映る。農薬の3分の2はグリホサートが使用されているが、グリホサートが効かない雑草除去のために、農場はさらに枯葉剤のような有害物質を混合させている。エントレ・リオス州パラナにて。

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自分の敷地を歩くフェリクス・サン・ローマン。彼が霧状になった農薬が彼の土地に流れ込んできたことを抗議すると、散布した男性は彼を殴り、背骨を折り、歯をへし折った。彼の敷地から1500メートル以内は、農薬散布ができない規制がかかっているが、誰も従っていない。当局は見て見ぬふりをした。ブエノス・アイレス州ローソン。

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農地に囲まれた学校の校庭にいる学生たち。アルゼンチンの大半の州では、農薬の散布ができるのは、居住地から50メートルから数キロメートルの離れていることと規制している。しかし実際は、大豆畑のすぐ近くに居住地や学校が点在しており、農薬を混積んだトラクターも走っている。サンティアゴ・デル・エステロ州ポゾ・デル・トバ。

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カミラ・バーロン(2歳)は生まれつき複数の臓器に重度の障害がある。医師たちは母親に、付近の農地に大量の農薬が散布されており、それが原因の可能性があると伝えた。彼らはある特定の化学物質が先天性障害やガンを引き起こしたと証明するのは困難だが、政府による調査の必要だと語ったという。チャコ州アビア・テライ。

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春の昼下がりの陽光を浴びて、収穫されるのを待つバイオテク大豆。ブエノス・アイレス州ローソンの近くにて。

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慢性呼吸器系疾患を患っている双子の姉妹が、農薬に使われたたくさんの容器のすぐ近くで遊んでいる。この家には水道がないので、これらの捨てられた容器に水を入れて、鶏への給水、トイレの排水、洗濯などに使っている。母親は子供たちにこの水を飲ませないようにしているというが…。チャコ州アビア・テライの町付近。

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アイカ・カノ(5歳)は生まれつき体中に黒斑がある。医師も説明できないというが、農薬に関連している先天性障害と考えられる。アルゼンチンで農業にバイオテクノロジーが爆発的に使われるようになってから、チャコ州では重度の先天的障害児が 4倍に増加した。農薬は日常的に家、学校そして飲料水を汚染する。チャコ州アビア・テライ。

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学校の休み時間に、サッカーに興じている生徒たち。教師によると校庭に隣接する農園が、殺虫剤を違法に散布したという。規制によれば、学校から50メートル以内では散布で禁止されているが、州内18校でそれが無視された。教師たちはこれを警察に訴えた。エントレ・リオス州コンセプション・デル・ウルグアイ付近。

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リサイクルセンターの敷地に、空になった農薬の容器が無数に廃棄されていた。モンサント社のものも含まれている。サンティア・ デル・エステロ州クイミリ。

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元農場労働者ファビアン・トマシ(47歳)が自宅で立ち上がり、衰弱した体を見せる。彼の仕事はタンクに農薬を速やかに詰めることだったが、農薬を扱う訓練を受けたことはなかった。手袋やマスク、防護服もつけずに数百万リットルの毒物を扱った。科学者に会って初めて、何が病気の原因かわかった。 現在彼は多発性神経障害により死を迎えようとしている。 エントレ・リオス州バシルバソ。